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手作りの国アメリカ [Do it myself]

途中日本に何度も戻ってはおりますが、こちらに来てだいたい一年くらい経ちました。 普段の生活で一番大きく認識が違ったのは、人のモノに対する考え方のように思います。もちろん、道にポイ捨てする人も少なくありません(犬の○んも含めて)。モノを買う、というエネルギーにはものすごいものがございます。大量に購入したり、ネット上のショップもものすごい数ですし、その便利さは目を瞠るものがあります。

とはいえ、消費社会で何でも買って済ませる国、アメリカ。…ではありませんでした。確かにそういった面がないわけではありませんが、少なくとも私の周辺のアメリカ人には当てはまらないことがわかりました。

夫のお師匠さんは、私よりも年上のクラシックカーの修理を自分でほとんどやってしまいます。ほとんどの人は庭の手入れや家の簡単な修理などはもちろん自分でやります。HOME DEPOTなどに行くと、家一軒建てられる資材と内装・外装のサンプルが恐ろしいくらいに揃っております。重機もレンタルできます。 夫の知り合いには、週末ごとに作業をして自分で家を建てた人が本当に居るそうです。 アートフラワーやキルト、ニットなどのクラフトショップもものすごい品揃えです。自分で作ったもので家の装飾をする人も少なくありません。 週末のテレビ番組には、お料理番組に加えて、どうやって古家を改修するか、どうやって庭の手入れをするか、アンティークっぽい家具を自作するには、などの番組が大量に放映されています。 しかも大半はプロの手助けのもと、素人である所有者がやっているケースが多く、どの部分はプロに任せる必要があり、どの部分は自分でも知識さえあれば可能か、というところも分かるような番組構成になっております。 実際、人によっては、古家を安く購入して、自分たちで改修し、それを高く売りなおすようなことをしているようです。私の英語学校の先生でも、別荘の基礎を自分で修理しようとしていた人がおりました。たまたま夫がそれを聞き、セメントの選び方など、少し彼にアドバイスしてくれたそうです。

日本では食品衛生法の関係で…、と断られることが圧倒的に多い、外食先からの食べ残しのお持ち帰りでも、アメリカでは当たり前のように行われています。 どのレストランでも、持ち帰り用の箱を用意しており、食事が止まったお客さんには店員さんが「箱お持ちしましょうか」と尋ねる場合も結構見かけます。一つには一皿の量がとにかく多い、ということもあるのでしょうが、そういう人たちを普通に見かけると、あまり「食べ物を粗末にする国」とは思えないのでございます。

また、中古ショップも多くあり、ヤードセールも盛んで、中古品を流通させるシステムも結構しっかりしております。人によっては、不用品を庭先に置いて、「ご自由にお持ちください」という場合もございます。 「人が使ったものを使うのはキモチが悪い」「中古品は体裁が悪い」というよりも、「使えるものは直して使えば良い」「我が家で要らなくとも、誰かが使ってくれれば」といった考えの方がポピュラーな気がいたします。ちなみに、中古ショップに持ち込むと、「寄付」という形で受け付けされ、売られる予定価格分を寄付したと認められ、その一定額分は税金優遇になるというシステムも一因であろうと思われます。そういう中古ショップには、ガラクタから中古服、調理器具までまとめて持ち込まれることが多いのか、たまに驚くような掘り出し物が転がっていることがあるそうです。

実際、先日行ったお店でこんなものを発見してしまいました。

 

小さいトレイです。 一瞬ニセモノかと疑ったのでございますが、裏を見ると確かにロゴが押されておりますし、どうも本物のウエッジウッドのジャスパーウェアのようでございました。ちなみにお値段は周囲に並んでいるガラクタトレイと同じ、69セント。…考えられません。 それ以外にも一応ちゃんとした切子のグラスが99セントなど、結構な品物がガラクタに埋もれてひっそりと置かれております。 夫曰く、こまめにチェックしていれば、高級磁器製品は結構出ているので、見る目さえあればそれで一財産作れるのではないかとのこと。 実際、アンティーク品を品評するテレビ番組でも、「これは中古ショップで買ったものなのに…。そんな価値のあるものだったなんて」と驚く人を見かけることがあります。 我が家でゴハンを炊くのに大活躍のティファールのミルクパンもこういったところで夫に拾われたようでございます。

私の住むところではペットボトルはリサイクルするのに、ビン類はリサイクルしませんし、ゴミは確かに大量に出ますが、その反面、捨てずにリサイクルする市場がきちんと存在するのもこのアメリカという国なのだと感じております。


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